木村一成写真 事務所公式サイト アマゴンスキー on the web 2004年版 No.6

美しき毛バリの世界


 2004年のシーズンは中日ドラゴンズが5年ぶりの優勝を・・・、あ、ちゃうちゃう、2004年のテンカラシーズンも終わりですね。
 ちょこまか動いて釣行日数だけは恥ずかしくて人に言えないほどですが、その割によく釣れた日が少ない年でもありました。イチローの高打率がうらやま し〜。
 そしてシーズン終盤になって、大物が釣れたという情報がチラホラ入りました。水谷教授や川北画伯が、信州のとある方面でサケのようなとか、ハマチのよう なというヤマメを釣られたそうです。釣れる人には釣れるんですね。

 私の最後の釣行日は9/25でしたが、最後に掛かった尺イワナが今シーズンの〆でした。さすがにシーズン最後の土日とあって釣り人も多く、いいポイント になかなか入れずじまい。やっとこさ入渓できたものの、雨に増水、さらには濁りも入りはじめるという最悪のコンディション。ここしか出ないだろうというポ イントへ集中攻撃するしかありません。スレてると予測して2号ライン、ハリスも0.8号とテンカラとしては細仕掛けで挑みます。毛バリも♯14と小さめを 選んで何度も流します。頭で「いっか〜い、にぃか〜い」とカウントして30回数えたころには毛バリが羊に見えて眠くなってきました(冗談)。しかし同じ毛 バリばかり見せられては相手も飽きて(飽きるのか?)しまうだろうから、今度は♯8と大きめに変えてさらに十数回。しめて50回流して出なかったら諦めよ うと思った矢先、水面がモワッと割れました。でもまぁ、この場合は毛バリを大きくしたから食ったというよりも、イワナが根負けしたのでしょうね。コケの一 念イワナも徹す、っと。まぁ、サツキマスなら餌を100回流せといわれるくらいですから、それよりゃ楽ですな。絶対に出るはずという根拠のない信念だけが 頼りでした。


2004年のフィナーレはこいつ。このページの表題写真にある毛バリを食わえてくれました。
そういえばこれは自分で巻いた毛バリでしたね、ふぅ。


 何はともあれ忙しいシーズンも終って、ようやく禁漁期間は落ち着いた日々が過ごせます。そして、この間にやっておこうと思うことがあります。それは、毛 バリ巻きなんです。何を今さらと思われるかもしれませんが、私は不精をして今シーズン中あまり毛バリを巻きませんでした。ストックが心細くなると、釣友の マツやアワゾー氏からもらったり、さらには今年テンカラを始めたばかりの弟子の虫クンから巻き上げる有り様。さすがにこれではイカンと思い、来シーズンは なるべく自分で巻いた毛バリを使おうと思うのです。まだ思っているだけですから、ホントかどうかはアヤシイもんですけど。

 ところで、テンカラにおいて「毛バリは何でもいい」とよく言われます。何でもいいという理由はテンカラ大王のHP石垣研究室にある「信じちゃいけないテンカラ超入門講座」 をご参照ください。

 テンカラビギナーの方は、フントに毛バリは何でもいいの?と思われるかもしれませんが、何でもいいと思っていたほうが結果的にも精神的にもよろしいか と。なぜなら釣れない理由のほとんどは毛バリのパターンとは関係ないからです。アプローチやキャスティングのほうが毛バリよりも重要です。
 とはいえ、状況によっては毛バリによって反応が違ったり、釣果が変わったりすることも経験します。この場合、毛バリのパターンというよりは大きさに関係 があるようですが。私の場合は♯10くらいのフックサイズを中心に、♯6から♯14あたりのサイズを使い分けています。もちろんフックサイズだけを語って も意味がないので、ハックルの大きさやボディーの太さ、長さも含めた全体の大きさと考えていただければと思います。

 毛バリは何でもいいけれど、趣味なんですからいろんなパターンを巻いてみるのも楽しいですよね。秋の夜長にあれやこれや、来シーズンに思いを馳せて様々 なパターンを巻くのもいいものです。

 そこで名人や釣友たちからいただいた毛バリを混じえながら、いくつかのパターンを紹介したいと思います。こうやって見てみると、ホントに十人十色のテン カラーですね。それぞれに釣果を得ているわけですから、やはり毛バリは何でもいいように思えます。

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 バイスと比較してもらうと毛バリの大きさがわかると思います。なお、随分以前にいただいたものもありますので、現在ご本人が使われているパターンと違う ことがあるかもしれません。その点、ご容赦ください。

テンカラ大王こと石垣尚男教授、 数年前の作。現在はアイの大きな老眼毛バリになってますが。

大バリで知られるテンカラの鬼、榊原正巳さんの♯6サイズ。他に♯4や♯2のバカでかい毛バリも 使います。

本流テンカラ、逆さ毛バリで有名な天野勝利さん作。白っぽい雉のハックルが多く巻いてあ ります。

釣聖、恩田俊雄翁からいただいた毛バリ。ご自分で巻かれたか定かでないのですが、美しいですね。

下呂の魚狂、中川栄太郎翁の飛騨伝承の逆さ毛バリ。ハリは大きく毛は少なくが信条だそうです。

テンカラ界の左甚五郎こと春日規克教授の作。木彫りだけでなく、毛バリでも細かい造作で す。

火消し職人Sさん作。胴が丁寧に仕上げてあります。普段の本人からは想像できない緻密さですな。

老眼毛バリの元祖、倉上さんの派手な毛バリ。別称キン○マ毛バリ。(おいおい)よく沈みます。

遠山郷在住のテンカラ名人、草田和巳さんの小さな逆さ毛バリ。巻き方に一工夫あるそうです。

K子さんのゲジゲジ毛バリ。とっても男らしい豪快な毛バリ。(失礼!)イワナに利くみたいですね。


サトーさんのいかにもって感じの伝承毛バリ。実はサトーさんは元フライマンなんです。

青森の星、ポン太さんのカラフル毛バリ。大物相手が多いので軸が太目なのかな。


てんから幹太ことカンチャンのオレンジ胴毛バリ。彼はこのタイプを好んで使います。

マツが最近好んで使うパターン。私もこれをもらって使ってます。なぜか結構釣れます。


アワゾー氏のアントタイプ。これは瀬畑さん風に自己融着テープで巻いてあります。


テンカラ1年生の虫クンも自分で巻いています。これはピーコックの羽軸を胴に巻いてあります。

私の作その1。これは♯6に白ハックルをボッテリ巻いたパイロット毛バリ。これで食い気や反応をみます。


私の作その2。実家の駄犬、コロの毛を胴に使ってます。だからどうしたって?胴もしませんが。


私の作その3。毛足の長い羽根を利用したくて、胴とハックルを一枚の羽根で巻いています。貧乏 くさい?

私の作その4。なんとなく反応が悪い時、気分転換を兼ねて付ける毛バリです。なんかフライっぽ いですね。


   

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