テンカラーズ&木村一成写真事務所公式サイト アマゴンスキー on the web テンカラ雑記2016年版 その6

渇水の夏、50年目の夏
2016.9.1・記


渇水ながら石徹白本流のアマゴは立派に育っていました。
禁漁まであと少し、キープされず産卵まで残ってほしい。


夏の朝陽に輝く峠川のアマゴ。
渇水でも餌は食べてますねぇ、丸々肥えています。

私事です。
今夏八月、50歳になりました。
夫婦割引で映画を安く観ることができるようになり、さっそく誕生日に家内の虫クンとシン・ゴジラを観てきました。
虫クンはゴジラなんぞに乗り気でなかったのですが、観終わってから虫クンはやたらウケていました。
なにせ、○来○爆○!
ネタバレになるのでこれ以上は書けません、映画館の大スクリーンで見ることをオススメします。
しかし、予算の少ない邦画でも、ここまでできるんだと感心しました。
てか、ハリウッドが無駄に金をかけすぎなのでは、と思いましたねぇ。
それにしても、怪獣映画の本来のお客様たる子どもたちは、ほとんど話が分からんだろうなぁ。

その誕生日の前日、燕岳山頂に立ちました。
昨年、徳本峠に登ったメンバーと一緒でした。
北アルプス三大急登といわれる合戦尾根を、みんなよく登ったもんだと思います。
登山にまったく興味がなかった自分が、まさか2,763mの頂へ登れるとは我ながら驚きです。
燕岳・天の記という動画をつくりました、どうぞご覧ください。


真夜中、星空の中に槍ヶ岳がぼぅっと見えたときは感動しました。
肉眼ではもっと暗く見えます、これは写真のウソですね。


リーダーのケンチャン(左端)のお蔭で燕岳山頂を踏むことができました。
小学生のテンカは燕山荘で登頂証明書をもらいましたが、大人はもらえないのですぅ。
ちなみにみんなの後ろの谷には、高瀬川の源流が流れています。


登山して映画も観て良い夏休みでした、終わり・・・。
ん、・・・これはテンカラ雑記でした。

私どものフィールドである中部地方は8月の降水量が少なく、郡上や石徹白も渇水続きです。
渇水は魚の行動範囲を狭め、深場もなくなり鳥など天敵から攻められやすくなります。
魚は相当神経質になり、釣りも難しくなります。

しかし、手練手管のテンカラ師は渇水を味方につけます。
川が細くなっているため、ポイントは案外絞られています。
魚たちは餌取り稼業ですから、渇水だろうが神経質だろうが、餌は常に食べなければいけません。
テンカラで釣るチャンスもそれなりにあるということです。

無論、渇水は厳しい条件に違いありませんから、バタバタ釣れるとはいいません。
雑な釣りをするとまったく釣れないということになります。
ポイントの見極め、慎重なアプローチ、魚の状態把握、正確なキャスティング、毛バリを正しく流す。
これらに留意することは、 渇水時には特に大切なことと思います。

でもまぁ、釣りをしていてこういうのもなんですが、渇水時の神経質な魚を釣るのはちょっと気の毒でもあります。
リリースしてもダメージやストレスは少なからず与えるでしょう。
産卵期も近づいていますから、むさぼるように掛けることは慎むべきだと感じました。
そういう意味でも峠川C&Rに設けられた10匹という釣魚制限は、いいレギュレーションだと私は思います。
制限がなければ、自制はなかなかできるものではありません。
あ、規則だルールだという話は、今回の主題ではありません。


イツキ君、難しい条件のなか見事にヒット!!

お盆を過ぎたある日、テンカラ少年イツキ君と石徹白に釣行できる機会がありました。
不思議なもので長年の釣友のように、一緒に釣りをしていても違和感がありません。
向こうが高いのか、こちらが低いのか、 精神年齢が同じくらいに感じます。
知識量が豊富で、小学生と話している気がしません。

さて、イツキ君と釣行した日は午前8時半ごろから峠川に入りました。
すでに夏の日差しがギラギラし暑くなりだしていました。
峠川はC&Rなので魚影はあります。
しかし、渇水の上にマズメも過ぎ、簡単に釣れる条件とはいえません。
そんななか、イツキ君は自分でポイントを見極め、食い気のある魚を探し、ついに9寸超えのイワナを釣りました。


良型イワナに笑みがこぼれます。
自分の読みどおり釣った喜びは格別でしょう。


今回の釣行では、気難しい魚が多い峠川ならではの体験ができたようです。
その状況報告の表現力が豊かなのが微笑ましい。

「魚体を水面上にあらわにして出た」
とか、
「食いが浅く、毛バリに触っただけだった」
とか、
「流れ出しについているけど、食い気がない」
などなど。

ふ〜む、よく観察してるなぁ。

さらに、キレイなタイトループをつくって毛バリを飛ばすのにも感心。
齢50になり、こんな素敵な少年と釣りができて私は幸せものです。


この日のラスト釣果のイワナと記念撮影。


8月も中旬を過ぎて日も短くなりました。

さあ、早く帰ろう。

クラシックレベルラインテンカラ・2016年、渇水の夏という動画をつくりました。
どうぞご覧ください。




  

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