テンカラーズ&木村一成写真事務所公式サイト アマゴンスキー on the web テンカラ雑記2016年版 その5

テンカラの美学
2016.7.28・記


その習性に従い毛バリに飛びついたアマゴ。
彼はその習性に従い、私は自分の美学に従って彼と対峙した。
勝ちも負けもない。

近ごろ「ほぼほぼ」という言い回しが流行っているようです。
若者だけでなく、我々オッサン世代の口からもよく聞かれるようになりました。
声に出すと軽妙で印象的ですが、文字にすると読みづらいです。
ほぼほぼはほぼほぼ読みにくい、ですね。
文章では、ほぼ、とシンプルに書くだけでいいようです。

さて、私は釣りといえば、ほぼテンカラしかやりません。
不器用なので、とか、面倒なので、とか、やらない言い訳をいつもしています。

それほどテンカラが魅力的なのか?
テンカラの魅力は、道具が簡単、釣り方が簡単、疑似餌で釣れる、などいくらでもあります。
お金があまりかからないことが魅力ともいえますが、これは人によるでしょう。
しかし、こういった魅力があるからテンカラしかやらない、というのは私の正解ではありません。

テンカラは、渓魚のある習性を利した釣りです。
その、ある習性のなんたるかは、加藤須賀雄氏の「かげろうの釣り」を読んでいただきたい。
この名著のなかでも「ヤマメの与三さん」の頁はぜひ読んでほしい。

主人公のYosathan Livingstone Yamameに大きく感情移入することでしょう。
私は涙がとまりません。

なにゆえ私がテンカラしかしなくなったのか、答えはほぼここにあるように思います。
与三さんの仲間たちに最大の敬意を払って釣りをさせてもらうには、テンカラが一番ふさわしいのではないか。
加藤須賀雄氏が描き出した世界観に恥じない美学を、私は持ちたいと思っています。
すみません、私個人の考えです。


ヤマメもアマゴと同じく美しい渓魚。
朱点はないが体側の淡い紅色がなんとも艶っぽい。

クラシックレベルラインテンカラ、ほぼほぼ同じ場所で釣るという動画を一本Upしました。

お暇な方はご覧ください。




  

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