テンカラーズ&木村一成写真事務所公式サイト アマゴンスキー on the web テンカラ雑記2008年版 その1

「光陰矢の如し

明けましておめでとうございます。
2008年、渓流解禁のご挨拶でございます。
今シーズンもよろしくお付き合いください。

今年は私のテンカラ入門から20年目のシーズンになります。
私よりベテランから見れば、まだまだハナ垂れ小僧ですが。
飽きもせず続けてきたものと我ながら感心します。
やはりこれは、多くの仲間がいたからこそです。

20年といえば、ふた昔も前になるのに、アッという間に過ぎたように感じます。
まさに光陰矢の如しです。
この間、いろんな変化がありました。
釣友の毛が抜け、白髪が増え、しわが刻まれていく様を・・・。
あ、そういう話ではないですね。

20年ほど前は、縒り糸テーパーラインが全盛期だったように記憶しています。
古典的な教書には「馬の尻尾の毛を縒り、これを馬素(バス)と称し・・・」なんてことも書いてありました。
ええっ?馬の毛を手に入れなきゃいかんのかぁ〜、と思ったらそうでもなく、ナイロン糸を縒ったものが製品化されていました。
さすがに当時でも馬素は現実的でなかったんですね。
今ではテーパーライン派よりレベルライン派のほうが多くなった感があります。
イベントや講習会などの参加者を見ていると、その傾向のようですね。
現在最先端のレベルラインとしては、蛍光イエローで視認性抜群のサンスイオリジナル(RS3〜4.5号)があります。
着色が難しいといわれたフロロカーボンに、見事な視認性を与えていてとても使いやすいラインです。

テンカラ竿も様々な製品が発売され、そして消えていきました。
私もこれまで竿には随分と散財しました。
名竿と思って何本も買い足した竿もあれば、何だこれ?と一回使ってお蔵入りなんてものもありました。
いずれにせよ、テンカラ竿が多く製品化されることは我々にとって喜ばしいことです。
お値段も、高価なものから安価なものまで幅広く、さてどれを買うべきかと悩むことでしょう。
ここで「竿なんか何でもいいよ」というベテランのセリフを真に受けてはいけません(*⌒-⌒*)
上手いベテランはどんな竿でも自在に振りますが、実はちゃんと本命の竿があるものです。
言い方は悪いですが、あまりに個性が強い竿を使うと、これはもう修行か拷問かという釣りになります。
では、これからテンカラを始めようと思う人や、竿に悩み多き人にはどんな竿がいいのか?
シマノ本流テンカラZEが、よくしなり、丈夫で魚の寄りもいいのでオススメできます。
仕舞寸が長いので源流釣行には携行しづらいでしょうが、ほとんどの川はこれ一本で対応できます。


我が家にあるテンカラ竿の一部。
グラスロッド、竹竿、カーボンロッド、改造ロッドなどいろいろ。


シマノ本流テンカラZEで管理釣り場のモンスターニジマスと格闘の図。

テンカラ毛バリは、ラインや竿のような変化はあまりないようです。
バーブレスフックを用いる人が増えたことくらいでしょうか。
フライフィッシングの世界で次々と画期的なフライが考案されているのとは大違いです。
テンカラの場合、おそらく何十年も昔の職漁師の毛バリを持ち出したとしても、今でも十分に通用するはずです。

それから、実際の釣りではC&R(キャッチ・アンド・リリース)することが広まってきたようにも感じます。
C&R区間がある漁協も増え、この設置によりC&Rが渓魚保護に有効な方法であることも分かってきました。
今やルアー、フライ、テンカラなど、疑似餌釣りを楽しむ人を中心にC&Rはごく当たり前に受け入れられています。
私がテンカラを始めたころはキープは当たり前でしたから、そう考えると隔世の感があります。

近ごろでは禁漁期間中でもテンカラが楽しめるようになりました。
もちろん密漁のことではありません。
管理釣り場の存在です。
20年前にテンカラができる管理釣り場なんてあったでしょうか?
う〜ん、なかったような・・・??
ようやくここ10年くらいで、各地に疑似餌で遊べる管理釣り場がたくさんできたように思います。
管理釣り場には自然河川とは対極の、のんびりとした雰囲気があります。
禁漁期を中心に、私も時々遊ばせてもらっています。
ただ、テンカラファンには残念なことですが、フライはOKでもテンカラはダメという管理釣り場があります。
ご利用の場合は各管理釣り場に規則等をお問い合わせください。


管理釣り場では、水温の低い冬のポンド(池)でも活性が出れば次々とヒット。
流れがないポンドでも、意外とテンカラはよく釣れます。

さて、20年前も今も変わらず感じることは、テンカラは少数派だなぁということ。
よく釣れ、簡単で、おもしろい釣りということが広く浸透すれば、テンカラ人口がもっと増えるのではと思います。
ところで、どんな性格の人がテンカラを選ぶのでしょうか?
V○Sではなくベ○タ、ウインド○ズではなくマッキ○トッシュを買う人なのか?
そりゃ、私だ。

  

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