テンカラーズ&木村一成写真事務所公式サイト アマゴンスキー on the web テンカラ雑記2007年版 その3

「庄川から四 国へ」

庄川編
庄川水系は9月10日から禁漁になります。
シーズン終盤とあって、9月に入ってからは人々々々々とすごい釣り人の数。
我々も先日その構成員となって、今年最後の庄川水系を楽しんできました。
案の定、厳しい釣りを余儀なくされ、キャンプと温泉だけが楽しみという腰抜け釣行になってしましました。

  
少し飲んで酔ってしまった榊原鬼師匠と、鯨飲馬食するホエールオガチャン、マエダさ ん、ハカマダさん、Cocoさん、サウスポー大野、虫クン、カバニィ。
能登からやってきたマエダさんとは、夜遅くまでバカみたいに痛飲してテンカラ談議をしました。
マエダさんはホントにテンカラが好きな人で、話していると嬉しくなっちゃう、楽しかったなぁ〜。


四国編

で、ほとんど釣れなかった庄川水系から、夢を追っていよいよ四国へ。
四国で渓魚といえばアマゴが代表格です。
イワナは元来いない地方(今は一部で繁殖しています)といわれていますから、アマゴの本場といっても過言ではありません。
地元の方はアメゴと呼ばれるようですね。
四国へは仕事などで数度は行ったことがありますが、きちんと釣りができるのは今回が初めて。
さらに今回は高松の銀次郎さん(HP銀の音)に会える、そして 川を案内してもらえるということで、ワクワクしておりました。
観光などをした初日の夜、銀次郎夫妻に加え、なんとあの香川のしんちゃんが飲み会に参 上。
しんちゃんは、明るくて、釣りが底なしに好きで、腕もいい男。
またまた嬉しくなってバカみたいに痛飲してしまいました。
釣りそのものも楽しいけど、釣り好きと語るってのは、至福の喜びです。

たかが釣りにされどがあるとするならば、人との出会いに他ならず。

魚なんかどんなにたくさん釣ったって、どんなにでかい魚を掛けたって、そんなことは大したことではありません。
釣りを通して素敵な人と出会った喜びのほうが、うんと大きいですねぇ、今のボクにとっては。

さて、翌朝早くから高松市のど真ん中にある銀次郎邸を出発して、吉野川最上流域へ。
吉野川水系の一部は8月末で禁漁とのこと。
そこで、まだ解禁している最上流部への釣行となったのです。
銀次郎さんが四国渓師会の会長から、今回のためにと教えてもらった谷を目指しました。
長い道程を乗り越え、午前9時前やっと入渓点に近づいたころ、朝一で入った釣り人の車が下りてきました。
すでに入られたことは明白でしたが、竿抜けもあるだろうし一匹くらいは釣れるでしょう。
ところが、我々が着替えようとしたとき、すぐ後から一台の車がやってきました。
若い二人組みでしたが、タッチの差で我々が早かったのです。
「登山ですか?」と、彼らも僅かな期待を込めて聞いてきます。
「いやぁ、釣りなんです、ゴメンねぇ〜」
いくら一匹でいいと言っても、彼らの後に入ってはその一匹すら釣れない可能性が出てきます。
彼らにしても悪路をわざわざ来たのに悔しいだろうなぁ。
我々とても、はるばるやってきたので今回ばかりはお許しを。

←入渓前、気合十分な銀次郎さんと虫ク ン。

やっと入渓を果たし、谷へ降りてすぐにその水と石の素晴らしさに息を飲みました。
ぜんぜん違うのですよ、中部の谷と!
いやいや中部がダメって話ではありません。
だいたい川というものは、ひとつとして同じ顔をしていません。
どっちがいいか?なんて、やぼな比較をするもんではないのです。
この谷独特の石の紋様と色合い、そして水色が素晴らしいのです。

まずは銀次郎さんがテンカラを振ってみます。
テンカラを始めたばかりとは思えないほどキャスティングがウマイのでびっくり。
川歩きも達者だし、ポイントへのアプローチが慎重で、まるで忍者のごとくでした。

  
深い釜を持つ滝がありました。きっとでかいアメゴがいるんだろうなぁ。


 
中部の河川では見慣れない岩と石が作り出す渓相に魅せられます。


荘厳なまでの渓谷美に酔いしれつつも釣れないまま遡行し、ついにアマゴが走る姿を目撃。
よだれが出るような一級ポイントがあり、様子を見ようと私が頭をヒョッと岩陰から出した瞬間に走ってしまったのです。
しまったと思いましたが、親からもらったデカイ頭を恨んでも仕方がありません。
やはりいるもんです、いないわけがないです。
そいつは手前奥の巻き返しあたりから、流芯を斜めに横切りながら下流へ流れ出し付近まで走ってUターンし、奥底に潜っていきました。
頭の動きに即座に反応したことから、割と表層近くに出ていたアマゴでしょう。
テンカラで狙えたし、尺クラスの良型だったので惜しいことをしました。
こうなると普通のテンカラの攻め方では厳しくなります。
選手交代して銀次郎さんが得意の餌釣りで挑みます。

が、その後、ちょっとしたアクシデントがあって渓を早々に撤退せねばならなくなりました。
結局、一匹もアマゴを釣ることができませんでしたが、十分に四国の渓の実力を感じました。
四国の渓流釣り師の皆さんがうらやましいです。

翌日は名物の讃岐うどんを食すことに。
四国で釣り以上に楽しみにしていたのが、この讃岐うどん!
「高松に来たんだから美味いうどん食ってもらわなきゃ」てんで、銀次郎夫妻オススメの店へ。
ウ、ウマイ!
もう食べてる最中は言葉なんかありません。
食べた後も形容する言葉なんかありません。

←「ざるっ、大っ、生姜抜 きっ!」銀次郎さんは江戸っ子口調でビシッと注文。

そして銀次郎さんの秘密基地と作品の数々を拝見しました。
まさに夢の部屋、素敵な彫金作品が生まれる男の国でした。

←この毛バリとアマゴを組み合わせたアク セサリー、絶品ですねぇ。

今回の四国釣行、一匹のアマゴも釣れませんでしたが、しんちゃんにも会えたし、銀次郎夫 妻に遊んでもらえて幸福でした。
この場を借りて、深く御礼を申し上げます。


   

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