テンカラーズ&木村一成写真事務所公式サイト アマゴンスキー on the web テンカラ雑記2017年版 その2


30年目のテンカラ
2017.10.2・記

今シーズンもテンカラができました、感謝、感謝。

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随分更新が遅れてしまいました。
アマゴンスキーは生きとるんか?なんて気にする人もいないでしょうが、生きています。
子どものためのテンカラ入門の続きを書かなければと思いながらも、よろず面倒になっているようです。

ところで、自分のことで恐縮ですが、今年2017年はテンカラ入門から30年目になります。
遠藤師匠からテンカラという妙な釣りの名を聞いたのが、つい昨日のように思い出されます。

この間、大勢の名人や釣り仲間に出会いました。
鬼籍に入られた方もみえます。
恩田俊夫翁、中川栄太郎翁、お二人は私に釣りの魂というべきものを教えてくださいました。
恩田翁は温かくおだやかに、中川翁はユーモアと厳しさを織り交ぜ、深い話をしてくれました。
堀江渓愚氏の熱血指導は印象深く、私のテンカラを褒めてくれたときは嬉しくなりました。
Sさんは自作のケーナ(笛)を、魚屋のおっちゃんは開発に参加した天龍の竿を、家内の虫クンに残してくれました。
お二人が亡くなられ、それらの品が形見となってしまい、虫クンは泣きました。
郡上の柴田勇治さんが川でお亡くなりになっていたことも後から知り、愕然としました。
柴田さんは郡上のコンビニでばったり会って、その場で延々と長良川本流のアマゴポイントを教えてくれたりしました。
思い出のなかで、皆さんいまも生きておみえです。
私がそちらに行くのはまだ先になると思いますが、三途の川の本流や支流でまた釣りを教えてください。

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私はこの30年ほどの間、釣りといえばほとんどテンカラしかやりませんでした。
今でもまったく飽きることがありません
ハリ、イト、サオだけという単純な仕掛けが性に合っています。
オモリも目印も付けたくありません。
付けたことはありますが私の感性には合っていないように思えました。
無論、毛バリ釣りには様々な方法がありますので、それを否定するものではありません。
カゲロウが舞うがごとく毛バリを生きたように操るには、一生かかるでしょう。
いや、今生だけでは時間が足りないかもしれません。

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さて、釣りというものは、釣るためには魚側から発想するのが合理的です。
どんな餌を食べ、どういう流れに入り、 どの深さのタナについているか、それに合わせて釣り方を選ぶのが普通です。
そう考えると、やはり餌釣りが一番理にかなっています。
ところがテンカラは、魚に合わせさせるという一面があります。
(あくまでも一面です、誤解されませんよう)
本物の餌とは似ても似つかない毛バリを食わせようというのだから、すでに不自然極まりない釣りなんでしょう。
釣りキチ三平のお話のなかで、毛鉤山人に三平一平じいちゃんがチクッと言うシーンは心に残ります。
毛バリ釣り師は複雑な想いになるでしょうが、ぜひご一読を。
釣りキチ三平といえば、
「釣れるからといって調子にのってバカスカとぶちあげるもんでねえ」
という一平じいちゃんの名セリフは、すべての釣り師への戒めのようにも思えます。

戒めついでに書きますが、渓流釣りは危険と隣り合わせであることも忘れがちです。
今年は峠川で大増水を経験しました。
イツキ君と遡行していたとき、雨脚が強くなり葉っぱが流れ出しました。
これはアヤシイとみて、退渓しやすい場所まで引き返し川から上がりました。
もし判断が遅れたら、次の写真の流れにさらわれたかもしれません。


普段はおとなしい川も雨量によっては一気に増水する。

釣り場が晴れでも、上流部で雨が降れば急に増水することもあります。
木の葉や流木などが流れてきたらすぐに川から上がってください。
退渓が遅れたら命に関わります。
水量だけでなく、転倒、滑落、スズメバチ、クマ、マムシなど危険に取り囲まれているような環境です。
いろんなことを想定しながら釣りをしなければなりません。

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さて、2017年のシーズンも禁漁になりました。
下の写真は、私の個人的な思い出の記録です。
「テンカラ狂想曲 2017年・ビデオ版」 という動画もつくりました。
ご覧いただければ嬉しいです。


幼なじみのマツ、若き釣友イツキ君、森下さんも長い付き合いになりました。
一緒に遊んでくれて有難うございます。(開田高原にて)


ダブダブですが、テンカは虫クンのウェーダーが履けるようになりました。
娘とテンカラが振れるようになるとは夢のようです。


30年前、初めてテンカラを振った川が峠川、そのとき最初に釣れたイワナは今でも忘れません。
今もこの川でテンカラができる喜びをかみ締めます。


こちらは家内の虫クンが釣った美しいイワナ、釣りにくいところに潜んでいました。
よく掛けたものだと感心します。


6月に近場の渓流で出た艶やかなのアマゴです。
ここ数年、成魚放流をやめ発眼卵と稚魚放流が主体だそうです。


お盆の石徹白本流アマゴ。
暑い夏でしたが、アマゴはすでに産卵に向けて体が変化し始めていきます。



8月下旬、奥飛騨の蒲田川C&Rに行きました。
実はC&R区間に設定されてから初めて釣行しました。
なるほど、いいヤマメに出会えます。


虫クンも蒲田川の夕マズメにパワフルなヤマメを釣りました。
粘っていた
フライマンが去ったすぐ後で釣れたので、なんとなく申し訳ない気がします。


9月中旬、関西のナカシマヘマさんとノゾエさんが今年も遊びに来てくれました。
楽しい飲み会をして、釣りは10年ぶりくらいに中央アルプスのある渓流に行きました。
人良し、
水良し、イワナ良し、最高です。


とくにノゾエさんが釣ったヤマトイワナは、実に美しくほれぼれするイワナでした。


禁漁間際、こちらは石徹白のある渓流のニッコウイワナ。
ヤマトイワナとはまた違うネイティブな美しさがあります。

来シーズンもマイペースでテンカラを楽しめればと思います。



  (工事中)

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